「流星を見る」 から一歩進んで『流星観測』を始めませんか

写真撮影 小池 順(NMS会員)


流星観測のやり方から報告まで

といっても、スマホがやってくれるわけではありません。流星観測をするのはあなたの目です。流星を見たことはあるけど、どのくらい飛んでいるのか調べてみたいという方をサポートします。<自由研究にも最適です。詳しくは、あとのボタンから>

 

楽しく、でもきちっと流星観測をするには

流星観測の基本は、きちんと流星の数を数えることです。時間が長ければ増えますので、「30分、1時間での流星の出現数を調べる」ことをしましょう。流星を目で見て調べることを「眼視観測」と言います。写真やビデオのない昔の観測と比べて流星群の変化を知ることができるのは眼視観測だけです!

 いつ見るの?

 流星は、一晩中いつでも見られます。でも多く見られるのは、流星群が活動している時期です。いつ頃、どの空を見上げればいいかなど、まずは、下のボタンを押してください。


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流星観測を始める前に

「今日、流星観測を見ようと思ったのに流星群の時期じゃなかった」そういう日でも、天気さえよければ流星は1年中見えます。

 (PCの方は、左側を車の写真の所まで行ってから、右側に戻ってください。)

 

a.    どこで見る?

 夜、暗い所で星を見るのですから、まず、安全な場所!不審者は論外ですが、野生動物、野犬、蛇などの有害生物がいない場所を選んでください。人工の光がない所がベストですが、あっても背を向けて目に入らない方向を選んでください。

 

b.    どちらの空を見る?

 人工光があればそれによって決まってしまいますが、月が見えない方角がいいですね。流星が飛び出す「輻射点」が正面にくる必要はありません。視野の端っこにでもあれば、流星群の判定ができます。

 

 

.何時頃に見る?

 流星群によってみられる時間が決まりますので、[主な流星群]から見られる時間を確認して下さい。自分の都合のよい1時間ぐらいにしてあとはのんびり眺めることも楽しいものです。観測中に寝てしまってカゼを引かないように。

 

 

 

d.快適に観測するため何が必要?

 快適に空を見上げるためには、背もたれの傾くイスがあるといいですね。アウトドア用品を扱っている店に行くと様々な椅子があります。頭まで支えてくれる背もたれの大きなものがあります。

 寝転がるためのマットにクッションのようなものに頭を載せてもいいでしょう。プールサイドにあるサマーベッドは安価ですが、重いのが欠点。

 

こんなイスでもいいですが、服装はいただけません

また、防寒具も必須です。夏の夜でも明け方になると冷えてきます。季節に応じたダウン素材の服、場合によっては寝袋に胸まで入ると快適!帽子や手袋、厚手の靴下なども用意してください。

飲み物やおやつ(眠気覚ましのおせんべいなど)、夏は虫よけ、露がつくためカバーするものもあるといい。

 シートを敷いて座椅子に寝袋、車は風よけになっています。ベテラン観測者は、さすがです。

流星観測で調べること

さあ、ここが一番のメインです。最初のあたりにも書きましたが、道具を使わず自分の目で見えた流星が確実に存在したことを記録に残します。

.決めた時間の中で何個の流星が飛んだか。

 流星観測について【新しく知る】のページの中に、流星なのかよく分からないものにはどんなものがあるかを書きましたが、他にも目で見える範囲(視野)の隅の方に何か動くものがあったり、遠くのライトが点灯したりすると「あっ、流星かな?」と思いがちです。人の目は中央の視力が良いのですが、端に行くほど視力も落ちますので、自信のないときは記録に入れない方がいいでしょう。(時間については後述)

  右下隅に出現した人工衛星。明るさが変わっていますが、非常にゆっくりなので流星と区別ができました。

 

・そのうち流星群が何個、それ以外が何個だったか。

 突き詰めると難しいのですが、まずは星図に輻射点を書き入れたものを見て、実際の星空を見上げてどこに輻射点があるかを把握しておきましょう。

「こと座流星群」なら1等星のヴェガの横、「ふたご座流星群」なら、お兄さんであるカストルの横、というように分かりやすいです。「しぶんぎ座流星群」ですと、目印になる星がありません。この群のページにあるように自分の分かりやすい目印を作りましょう。

 輻射点が分かったら、自分の見ているところでは、輻射点からどのような角度で見えるかなどおおざっぱにつかんでおきましょう。 一番良いのは、観測開始前に、実際にその群の流星が流れてくれることです。でも、それを数に入れてはだめですよ。

 観測開始後、群かどうかを迷うこともあります。その場合は、まず経路を覚えたまま後ろにたどっていきましょう。おおむね輻射点に行き着けばOKです。

また、流星の長さで判断できる場合もあります。おおむね輻射点に近くの流星は短く、遠いものは長いということが言えます。

 

輻射点から飛び出す群流星と輻射点の原理

 

上の写真は、輻射点の原理を説明するのに使いますが、流星にあたる赤い矢印が10mだとすると、遠くのものは短く、近いものは長く見えます。流星は、すべて同じ長さではないのですが、1つの目安になります。 もし、可能なら2人以上で同じような方向を見て一緒に観測すると、「今のは、ふたご群だ」「いや、ちょっと下だから違うよ」とワイワイやりながら見ると、その中でお互い高めあうことができます。なんといってもさみしくないのがいいです。

 



流星観測をするときに必要なのは

スマホだけですべて完了!

という方法を紹介します。以前は、時計を置いて、片手に減光した懐中電灯、もう片手に筆記具を持って、見えた流星を記録用紙に書いていくのが普通でした。もちろん今でもこの方が確実だということでベテラン観測者も使っています。 スマホの場合の問題点もあります。

以下はiPhoneの場合ですが、アプリが入っていないandroidスマホでも様々な無料のアプリがありますので探してみてください。

  (PCの方は、左側を下まで行ってから、右側に戻ってください。)


1.ラームで観測時間をセットする

「d.快適に観測」の準備ができておれば、椅子に座るなりして、観測開始の時間を決めます。初めは準備時間が15分ぐらいあるといいでしょうか。今、2135ぐらいなら2200を待たずに2150開始でもいいでしょう。それから30分間観測をしようとするなら、アラームを21502220の2回をセットします。(950とかやりがちなので注意!) 

2.ボイスメモを開き、手探りで録音、停止ができるようにする

ボイスメモはiPhoneに入っているアプリですが、押せば録音を開始し、もう一度押すと停止します。

流星が見えた時、さっと押し、「出現! ふたご群」などと話すと、その音声と時刻(時、分)が記録されます。これを繰り返せば、流星の出現時刻も記録できます。ただ、画面を見てしまうと目がその明るさに瞬間的に順応してしまい、星が見えなくなります。ポケットの中で操作できるように修行する! 画面を黒い布などで覆い、ボタンの位置は印なりをつけてまぶしくないようにする等々、皆さんの工夫をお願いします。 もちろん電池がなくなればダメですので充電をしっかりしておく。モバイルバッテリーも必携です。

流星の出現と同時にON、話し終わったらOFFで、あとの集計が楽です。

iPhoneのボイスメモ画面と観測中にカバーする黒い紙。録音、停止ボタンの位置に合わせて穴をあけました。黒紙をマスキンテープなどを使ってスマホに貼ります。見えるのは録音時の赤丸、停止するときの赤四角ですので、押し忘れ等を防げます。なお、観測地の経度・緯度・高度なども表示されます。

 

3.目を暗さに慣らしながら星座や輻射点を確認

スマホの準備ができたら、目の準備です。暗闇に目が慣れていくと暗い星まで見えていきます。(といっても視力によりますから、視力の悪い人は、古い眼鏡を観測専用にちょっと度を強くしたレンズに換えておくといいかもしれません。その分、疲れやすくなるのでご注意を。 先に書いたように、星座を確かめ、輻射点を見つけていきます。 姿勢や向き、体に変な負担はないでしょうか。観測中に、何かが気になると、どうしても集中力が落ちますので。

 

 4.アラームが鳴ったら観測開始

 うるさいので停めましょう、これも画面を見ずにできるようにしておきましょう。夜空を見るとき、目は、キョロキョロせずに、といってあまり1点だけ見ているとその分視野が狭くなります。ペガサス座を大きく見るというような感じでしょうか。しかし、何か危険を感じたら中止し、すぐに対応しましょう。

天文ガイド誌に毎月連載をしている長田さんの奥様が書かれたイラストです。(天文回報1999-6より)

 

5.流星が飛んだら

 音もなく「シュッ」と流星が飛んだら、スマホのボイスレコーダーの録音を押し、まず一言「出現」でも「出た!」でもいいですので声を出します。そして、目的の流星群であるか確認し、群流星であれば「P群(ペルセウス群を略して)」とでも声を出しましょう。また、何か気づいたことがあれば、それも録音しておきましょう。ヴェガより明るかった、最後に爆発、緑色になったetc わかる範囲でいいので。最後に停止ボタンを忘れないで。

 

6.終了のアラームが鳴ったら

 流星がどんどん飛んでいたら、そのまま続けてもいいでしょう。ですが、アラームを休憩する目安にして、体調などを考えて、立ち上がって体を伸ばして大きく呼吸もしてみましょう。

 スマホのチェックをしましょう。時刻と録音された秒数がズラッと表示されていることでしょう。再生すると自分の声が流れますからちょっと恥ずかしい、でもその時に飛んだ流星の姿が浮かぶはずです。

 この後再度、観測をするのでなければ、片付けに入ります。忘れ物がないか、ゴミを落としてないか、自分のいた周囲をチェックして戻りましょう。

 

7.再度、流星観測をするときは

 休憩後、再度観測を行う場合については、はじめと大きく変わることはありません。スマホの充電状況、アラームの再設定、ボイスメモが動くかの確認、月や輻射点の位置の確認などを忘れずにしましょう。ちょっとした眠気には、ガムや硬いせんべい等、あごを動かすと良いようですが、強い眠気や体調に不安があるときはスッパリ終了しましょう。特に運転して帰る時には、仮眠をとってからにするなど「自宅に帰るまでが遠足」という格言?を守りましょう。

 

集計ができたら、忘れないうちにぜひ報告をしてください。


『日本流星研究会』、流星天文学の普及と観測・研究の実践、そして会員相互の親睦を図ることを目的とした任意団体で、プロの流星研究者と多くのアマチュア流星愛好家によって組織・運営されています。

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