流星や流星群のあれこれ

 

流星とは:数ミリ前後のチリの粒が、地球の大気中に飛び込んできて発光して見えるものです。

流星と火球の違い:流星の明るいものを火球と言います。朝・夕に見える金星より明るいものを火球ということが多く、厳密な区別はありません。

隕石とは:明るい火球の中には、先に述べた彗星が起源ではなく、小惑星から別れた岩石が地球に飛び込んで発光し、大気中で消滅するほとんどの流星や火球と違って地球上に落下するものを言います。月と同じぐらい明るい火球であっても、ほとんどは大気中で消滅します。(写真は順に、流星、火球、小牧隕石)

 

流星と間違えやすいもの:長い時間ゆっくりと光点が移動していく人工衛星、ライトが点滅して飛ぶ飛行機、面積があり薄暗く見える鳥や虫、気球やドローンなど人工物もあります。また動く雲の中に見える金星などを見間違えることがあります。日没後の西空を飛ぶ飛行機雲は一瞬火球かと見えます。近頃は、光点がゆっくり移動しながら明るさを増減して数秒後に見えなくなる人工衛星もあります。(次の写真は順に、流星と人工衛星、ドローン、鳥)

・流星群とは:多くの流星の起源は彗星が放出したものです。太陽の周りを地球などが公転しているように彗星も公転をしており、彗星から放出された多くの粒も同様に彗星と同じように公転をしています。これが地球の軌道と交わったとき、地球からは、同じ方向から多くの粒が飛び込んできて流星として見えます。しし座の1点から四方八方に飛ぶものを「しし座流星群」と言います。この1点(輻射点または放射点と呼びます)が存在する星座の名前を使って流星群の名前が付けられています。

・散在流星とは:流星群のように星座の中の決まった1点から飛ぶのではなく、夜空の様々なところからランダムに飛ぶ流星を「散在流星」と言います。(下の図は彗星と流星群の関係を表す模式図;中日新聞Webより)

流星群の極大、極大日とは: 彗星から放出された多くの粒は、均一に存在することは少なく、密度が大きい部分があります。地球の軌道に密な部分が交わったときには流星も多く見られます。多くの流星群は、日ごとに流星数が多くなり、また少なっていきます。もっとも多くなった時を極大(極大日)と言います。オリオン座流星群であれば、10月22日頃が極大にあたります。15日頃から出現を始め、徐々に増えていきます。極大後、少しずつ減りながらも30日頃まで見られます。しぶんぎ座流星群は密な部分が狭いので、1月4日の数時間だけしかたくさんの流星は見られません。その時間、日本が昼間だと夜には出現数は少ないということが起こります。(下の図は、TV観測による6年間の1日ごとの出現数のグラフです)

流星群に属する流星(群流星)と散在流星を見分けるには: 見た流星を逆方向にたどってみると、その先に目的の流星群の輻射点があれば、おおむね群流星といってよいでしょう。ただ、輻射点に近いのに流星の長さがずいぶん長い、逆に輻射点から遠いのに流星の長さがかなり短い場合は、その流星群ではない場合もあります。輻射点に近いものは見かけ上ゆっくり見え、遠いものは速く見えますので、そんなことも判断するのに役立ちます。ただ厳密な見分け方は、ある程度慣れてこないと難しいですね。また、群によって速度が違います。夏のペルセウス座流星群は速度が大きいので速く、12月のふたご座流星群は中速の群です。このような群ごとの特徴を体験するといいです。

・流星の明るさを決めるには:星の明るさと比較して流星の明るさを決めます。しかし、光が一瞬に移動する流星と静止している恒星・惑星を比べるのは難しいことです。まず、恒星や惑星の明るさが分かる星図などを見ながら視野にある星の等級をつかみます。目慣らしを兼ねて行うとよいでしょう。1等星といっても0等に近いもの2等に近いものがありますからなかなか大変です。他の人と同じ空を見て見えた流星を「2等だ」「いや、1等だ、アルタイルと同じぐらいだった」 と言いながら見ていくうちにだんだんそろっていきます。

・流星の特徴とは:光点が動くというのが共通点ですが、ほかにもいろいろな特徴を見せる流星があります。徐々に明るくなり、最後に爆発するもの、途中何度も爆発を繰り返すもの、逆に最初が明るくて暗くなっていくものなど,明るさが変化するものがあります。また、様々な色に見えるもの、群によっては青白いもの、赤っぽいものという特徴もあります。 尾を引く流星や、流れた後に煙のような薄い筋(痕)を残す流星もあります。【写真は、緑色の流星、尾を引く流星(動画からの切り取り)】